1970年代に発見され、2006年に解析・解読が発表されたキリスト教の異端の書とされる『ユダの福音書』。
ユダというのはイエス・キリストの弟子の1人「イスカリオテのユダ」で、
イエス・キリストを金と引き換えに官憲に売り渡したとされる、
キリスト教では裏切り者の代名詞になっている人物として知られています。
ユダの福音書によると、他の福音書では裏切り者として描かれているユダが、
実は他の弟子たちよりもイエスの真の教えを理解しており、
最もイエスに信頼されていて、
「裏切り」自体もイエス・キリスト自身から指示されたものであり、
ユダはそれに忠実に従っただけだと記述されていて、
それまでの正統キリスト教に反する内容であるため、
かなり衝撃的で話題になっていました。
私はキリスト教徒ではありませんが、
スピリチュアル思想にも関わりがあるので、
かなり関心を持っています。
キリスト教の福音書には、新約聖書に「マタイ」「マルコ」「ルカ」「ヨハネ」の4つの福音書がありますが、それ以外にもいくつも福音書があります。
新約聖書にある4つの福音書は正統キリスト教に「正典」として公式に認められたものですが、それ以外の福音書は「外典」として、正統キリスト教に認められていないものです。
ユダの福音書など外典福音書の多くはグノーシス派によるもので、
正統キリスト教からは異端として排斥されてきた歴史があります。
グノーシス派の思想的特徴の1つに、輪廻転生(生まれ変わり)の思想があります。
詳しくはこちらを参考にしてください↓
https://mikiomiyamoto.bake-neko.net/karmaincarnate105.html
現在のキリスト教は輪廻転生を認めていませんが、
近代の研究によると、初期キリスト教には輪廻転生の思想があったそうで、
ローマ帝国時代に、輪廻転生説もそれを説いていたグノーシス派も異端思想として
キリスト教から排除されたということがわかっています。
高橋信次氏も「イエス・キリストは生まれ変わりを説いていた」と言っていました。
それからすると、その輪廻転生を説いていたグノーシス派によって遺されたという「ユダの福音書」は、あるいは真実なのかもしれないと思えます。
現在、正典とされている福音書はキリスト教会に都合の良いように書かれたものらしいので、あまり信じるべき根拠はないのかもしれません。
「ユダの福音書」の内容が正しいとすると、
イエス・キリストは自分が処刑されることがわかっていたということになります。
つまり、処刑されることを計画してこの世に生まれてきたということになります。
それは何のためなのか。その後の復活による魂の存在、魂の不死を証明するためだったのか。
そこは今のところよくわからない点です。
なお、「ユダの福音書」についてはこちらも参考になります↓