特にゲーテの思想に共感していたそうですが、
勉強嫌いだったという水木氏が哲学書を読んでいたというのは意外でしたね。
それは当時、若者は戦争に駆り出されていた時代だったので、
死への恐怖から哲学や思想の探求へと入っていったということらしいです。
私も勉強嫌いだったというのは同じなんですが、
私の場合、スピリチュアル思想を知るようになってから、
哲学者や思想家はスピリチュアル的なことについては
どういう考えを持っていたのかということを知りたいと思ったのが始まりで、
哲学書を読んでいくうちに哲学者のいろいろな考え方を比較することが面白くなり、
その中で、特に私が関心を持ったのが観念論です。
観念論は「世界を成り立たせている根本は精神的なものである」と考える哲学なので、
心(霊性)を根本にしているスピリチュアルに近い思想なので関心を持ったわけです。
観念論としてはカント、スピノザ、フィヒテ、シェリング、ヘーゲル、ライプニッツ、バークリー、ショーペンハウアーなど有名な哲学者がいますが、
それぞれの考え方にも違いがあり、それらの思想を比較するのが面白かったですね。
「この世界にあるすべての物事には、それを成り立たせている完全で永遠の理想的な実在=イデア が存在する」
「あらゆるものの「本質」はこの世の中にはなく、この世とは違う実在界=イデア界に存在している」
という思想で、
この世にあるものは実在界からの投影であるとしているところが特徴になっていますが、
「この世にあるものはすでに霊界にある」
「この世で発明されたものは、その前に霊界で造られたものである」
というスピリチュアル思想によく似ているので特に関心を惹きつけられました。
よく似ている思想なので、スピリチュアル思想はプラトンのイデア論を基にしたのかと思ったほどなんですが、ただ、普遍的な真理というものが実在しているのなら、
それぞれの哲学者が説いている思想に共通するものがあるのは当然とは言えるでしょう。
そして、あの世の実在界(イデア界)を知っていたプラトンは霊能者でもあったのかと思えますね。
スピリチュアル思想は単なる迷信などと片付けられる傾向にありますが、
哲学者が追求している真理がスピリチュアルに違いないと思います。